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2011年4月10日日曜日

風評被害?静岡で「福島県民お断り」の看板?

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塩野 七生

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古代ローマの偉人ユリウス・カエサルの言葉
「悪しき結果に終わったことの多くは、
              そもそもは、よき動機から発していたのである」
                        
byユリウス・カエサル(古代ローマの政治家・軍人)
今回の投稿は、善き動機から生じた行為と言うには、そうでない人が少なくなかったと言わざるを得ない出来事についてです。

9日の福島民報朝刊の記事に「静岡県内に『福島県民お断り』の看板が!」と載っていたらしいです。8日のラジオ福島では「首都圏のGSで」となっていたところを更に突っ込んだ形で記事にしていたらしいです。

もちろんこれには当の福島県民を始め多くの方々が怒り心頭、ネット上で義憤と義務感に駆られた行動に走らせています。しかし、自分としては記事の内容に全く信憑性がないことに加え、地元が静岡県であることから彼らとは違った思いでこの件を眺めてます。

福島民報の記事なんですが午前9時に同社のサイトに掲載されるも同日23時頃に非公開になっています。と言ってもコピペぐらいはネット上に転がっているので以下に転載。
給油所に「福島県民お断り」看板 県災害対策本部に報告相次ぐ 
8日朝の福島県災害対策本部会議で、県民が県外で「風評被害を受けている」との報告があった。
郡山市在住の50代の女性が、運送業に従事する夫の体験として県の「放射線問い合わせ窓口」に伝えた。夫が仕事で静岡県内に行った際、給油所に「福島県民お断り」の看板。コンビニエンスストアやレストランの入店も断られたという。この他にも、「車に落書きされた」「宿泊を断られた」などの報告が相談窓口に届いている。
県は復興に向けたキャンペーン「がんばろう ふくしま!」などを通じて風評被害の払拭(ふっしょく)に努める。
とある。ちなみに比較記事として同じネタを扱った読売新聞のものは以下の通り。
「福島県民お断り」入店・宿泊、風評被害相次ぐ
「福島県民お断り」――。

東京電力福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故で多くの避難者が出ている福島県の災害対策本部会議で8日、風評被害の事例が報告された。

放射線に関する県の相談窓口に寄せられたもので、ある運送業者から「他県のガソリンスタンドに『福島県民お断り』との貼り紙があった」という相談があった。ほかにも、福島県民であることを理由に、「レストランで入店を断られた」「ホテルに宿泊できなかった」「車に落書きされた」などの被害があったという。

県によると、3月17日の窓口開設から8日朝までに計6967件の相談があり、うち162件が風評被害に関するもの。県は風評被害払拭のため、これまで国に対して正確な情報発信に努めるよう要請している。

(2011年4月9日09時14分 読売新聞)
根拠が極めて曖昧

先ず2つの記事を比較すると福島民報は情報源が極めて曖昧なのに裏取りがなされていないことが目立つ。目撃者から記事までの情報伝達経路は
目撃者→その妻→放射線問い合わせ窓口→県災害対策本部会議→記事
となっているけど、記事からは目撃者とその妻に裏取りをしたようなことは一切書かれていない。「放射線問い合わせ窓口」は一見しただけで情報を精査する機関でないと分かるのにこれに対しても全く裏付けをしていない。

噂の扱い方

こういう「そんな話もありました」的な噂の域を出ないネタは、読売新聞のように、風評被害を防ぐ目的で「他県」とするのが常識だけどそう言った配慮もしていない。細かいことを言えば、読売では「ほかにも」で区切って静岡県のコンビニとレストランで入店を拒否された印象を避けているのに対し、福島民報は静岡だと決めつけている感がある

以上の点だけでも「静岡で起こった」と断定するのはあまりにも早急だ。実際、福島民報がサイトの記事を非公開にしたのはそういう事だと思う。

非難する前に

福島民報の記事を信じて義憤や義務感に駆られて行動した方々には悪いけど、今回は勇み足だと言うしかない。加えて、少し調べれば記事が怪しいことは直ぐにわかるのに、全く裏も取らず自分がさも正義を為しているかのように大上段に構えてネット上にばら撒く人が多かったことには残念を通り越して失望を禁じ得ない。

今回震災及び原発の災害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。今後も変りなく被災地復興に向けて協力させてもらうつもりです。しかし静岡県人の自分としては「そりゃねえよ」と思ったのもまた事実です。

(続き)

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10 件のコメント:

  1. FaceBookでも福島差別だと大騒ぎしてる人がいて
    ちょっと待てよ
    コンビニやレストランでどうやって福島の人だと見分けるんや
    それだけ考えてもおかしいやろ
    おかしなニュース広めるべきじゃないよ
    と言ってるのに 「火のない所に煙が立たない」なんて。それやったら風評合戦になっちゃうよ と言っても話を聞かない。 大義は我にありって感じで突っ張ってる 疲れるね。

    返信削除
  2. >>地六さん

    コメントありがとうございます。
    福島民報は例の記事についての謝罪どころか説明の一つも未だに出していません。
    福島民報はもちろんの事、それに乗っかって静岡を非難した人たちを自分は忘れることはできません。

    >「火のない所に煙が立たない」

    実のところ放火して回っているのはその人という滑稽な構図ですね。

    返信削除
  3. 静岡人として、事実であれば情けない。
    静岡県消防本部では、国からの福島への派遣を断ったという情報がありましたので、完全否定も出来ないのかなあとも思う。

    返信削除
  4. 茨城県でいわきナンバーに対して給油拒否があったとか茨城県会議員が書いている。

    http://twitter.com/ibakengee/status/56680210220843008

    ただこれも「福島県民お断りという看板」には結びつかない。

    返信削除
  5. >>koichi.t さん

    コメントありがとうございます。

    確かに事実であれば情け無い限りですが今回は状況からして不自然極まりなく、そもそも「静岡で見た」とはどこにも書かれていませんので自分は信じるに値しないと考えています。

    >静岡県消防本部では、国からの福島への派遣を断った

    確かに断ったことは断ったのですが、
    ・連日の福島県内での救助活動を終え帰隊したばかり
    ・派遣先である30km圏内の状況説明が何もない
    ・防護服を渡された理由も明かされない
    となればそれも仕方ないのでは、と思います。この時は岐阜・群馬の隊も似た理由で拒否しており、応じたのは滋賀県隊のみでした。彼らの勇気には賛辞を贈るしかありませんが、それが当たり前とするのは酷だと自分は考えています。

    返信削除
  6. >>地六さん

    自分はそこでの出来事が誤って伝わった可能性が高いと考えています。

    福島民報の記事も「仕事で静岡県に行った際に」と書かれており、これは「静岡で見た」よりも「静岡へ行く道すがらで見た」の方が正しい捉え方だと思います。

    返信削除
  7. こんにちは。
    ご訪問、コメントありがとうございました。
    kochangさんのコメントに、はっと思いました。
    確かめたわけでもなく、自分が見たわけでもなく、
    ただ、新聞に載っていたという父のメールを信じ、
    ブログに載せてしまいました。これは、父が知っているわけではなく、私が勝手に載せてしまっているのです。ただ、あの時点では、父は新聞を読み憤慨し、そのメールを読んだ私も唖然としたのは事実です。新聞に載っていたことを、疑うなんて今の状況下ではできなかったというのが事実です。
    その記事が嘘だったということを新聞に載っていたのでしょうか。
    「もう、福島はダメでしょう」「家の親戚は、同じ福島でも原発から遠いから、違うのよ」「福島のものは、もう食べれないね」「土壌がダメになるからもうずーとダメだね」、、、その他色々言う人が周りにいます。これが現実です。その中で、そういうこともあるだろうと、勝手に思ってしまったのです。静岡県民を愚弄するつもりなど毛頭ありません。どちらもありうることだろうと思ったからです。被害者意識が独り歩きした結果でしょうか。ブログを書くものとして気をつけなければならないと、反省しました。
    このブログ難しいですね。投稿の仕方が良くわかりません。

    返信削除
  8. はじめまして。私はこの記事を直接新聞で読みました。もしこれが事実であるならば、非常に残念でなりません。実際にこのような看板がガソリンスタンドに建っていたかは事実かどうなのかはわかりませんが、運送業者が福島へ行くのを拒んだり、福島県や茨城県の漁船を他県で受け入れなかったり、避難してきた福島の子供たちがいじめにあっているのは実際に起きています。ですから全くのデマということでもないように感じます。また、私の知人も被災地で生活をしていますが、実際には福島をはじめ被災地の方々は、日々の生活が大変なので、政府や東京電力に文句はあっても、静岡だの岐阜だのの悪口を言っている状況ではありません。
    それよりももっと大事なのは、今は福島県はダメだのと県単位で言っている場合ではない状況ということです。他県の人が福島県に拒否反応を起こすように、海外は日本に対して拒否反応を起こしているのです。そうなりますと、日本の食品や工業製品などがまったく売れなくなり、経済的にはかなりキビシくなってしまいます。そのためにも、まずは国内でこのような他県の悪口を言っているのではなく、日本全体が一つにならないといけないんだと思います。

    返信削除
  9. 同ハンドルネームでSNSに参加している者です

    乗っかり、トラックバック、貼り付け、コピペなど、あまりにも反響が多過ぎる件のなので、ここにコメントします。

    あまりにも「お断り」の看板を掲げた側が、一方的に叩かれている感があります。

    「一つ」の考え方です。

    一見、「お断り」の看板を掲げた方や差別を行なった方は「悪」に見えます。

    コトの信憑性も曖昧かもしれません。

    しかし、実際にこの事が本当にがあった場合の考えです。

    「差別」を「やった側」の「動機」をチョット自分なりに考えてみました。

    一部の被災者が他県に避難された時、「『過剰』に被害者意識」が働いて、横柄に振舞った方がいたのでは?と言う推測です。
    被災者の方々、同情はしますが、だからといって何をしてもいいというわけではありません。

    モチロン、
    極々、極々、極々、極々、極一部の方かと思います。

    それを「差別した側」も「過剰」に反応して、このような自体に陥ったのではという、「考え方」です。

    あくまで、私の推測でしかありません。

    しかし、客観的に考えて、少し突っ込んでみると、「やった側」、「受けた側」両者とも理由・動機があるとも思われます。

    冷静に先のことを考えると、やはり、「お互いに勇み足」だったのではないか?と考えることができます。

    返信削除
  10. 浜岡原発を持つ、静岡県民です。

    そんな店があったら、シャメ撮って、拡散して、タコ殴りです!
    ガセだと確信しています。

    返信削除